財務トピックス(コンサルタントコラム)

保証協会の時流 年始こそ融資の見直しを

〇保証協会の時流 年始こそ融資の見直しを

2019年がスタートしました。いよいよ平成が終焉を迎えようとしています。各企業の皆様も、年始をあわただしく走り抜けているのではないでしょうか。財務の話をするならば、企業ごとに決算期の違いあれど、どこでも「さて、2019年はどのような事業展開でいこうか…」と思案され、なかには今年の資金計画を策定している場合もあると思います。

ところで、もうすぐ来る「3月」は知っておかねばならない金融業界のポイントがあります。それは、お金の貸し手である金融機関が3月決算であり締め月のため、いつにも増して積極的に融資・商品提案に動いてくるということです。

だからといって年始だけ積極的に交渉をしても、借入の条件が劇的に改善したりはしませんが、自動車ディーラーや洋服店の決算セールのように、金融機関にも「売り込みたい月・売らねばならない月」があり、借り手が普段より交渉の場を有利に運ぶことができるのも事実。ならばこちらも動向や時流を踏まえ、効果的な交渉を行うべきと感じます。

では具体的にはどのような交渉を、どんな時流を踏まえて行うべきか。イメージしやすいのは今までより安い金利で借りるための金利交渉ですが、そもそも低金利の今、金利だけの不毛な争いを生むのは得策ではありません。筆者は金利も大切とは思いつつ、まずはぜひ「信用保証協会付融資(=マル保)」の借入がどのようになっているのか、精査をしてもらいたいと考えています。

マル保に関する情報を整理しましょう。

信用保証協会とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際にその債務を第3者として保証してくれる組織であり、ゆえにマル保は緊急回避的な融資枠や資金繰り安定策として活用しやすい融資制度となっています。業況の悪い企業で、金融機関単独でリスクを取る「プロパー融資」が出にくい状況となっても、(金融機関から見て出すリスクの低い)マル保の枠を活用すれば当面の資金繰りを継続できる可能性があり、この制度を有効に活用しない手はありません。

〇中小企業向け融資、リスク恐れず 「保証付き」バブル期以来の低水準

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36662470Y8A011C1EE9000/

(2018年10月19日 日本経済新聞電子版より引用)

 

一方で記事の通り、実は現在マル保の残高が大変低水準に落ち込み、業界ではマル保の在り方が再度見直されております。借り手の我々は一体、どのように信用保証協会と付き合うべきなのでしょう。

年始挨拶にやってきた銀行員と支店長、そしてマル保の時流。このタイミングで、何となく借りていたそのマル保を見直してみませんか。

 

〇「マル保はいつでも借りられる」から「もしもの切り札」へ切替を

前項の通り、マル保は金融機関から見れば、借り手が倒産して融資が回収不能となった場合にも、その8割~10割を保証協会が代位弁済(=支払い)してくれる制度が付いており、プロパーに比べると簡単に借りることができる融資形態です。また、上の記事の通り現在は金融緩和政策が継続し、空前の借り手不足・貸し手の過当競争が起きているため、以前より簡単にプロパーが借りられる背景もあり、マル保はなおのこと「いつでも借りられるお金」と捉えられがちな気がします。

・プロパーで借りると、銀行が資金使途(お金の使い道)にうるさいし時間もかかるからマル保にしよう

・銀行も「マル保ならいつでもいいですよ」と言っているし、何となくマル保にしよう

・うちはプロパー融資で付き合いするにはまだ早い企業だ

これらは、私が過去中小企業の経営者の方々から聞いたことのあるフレーズですが、このように受動的にマル保を活用していることはないでしょうか。そして何となく借りているが故、企業にとって最も大切な「資金繰り」に何かがあった時に、最も素早く借りられるマル保の枠を、いたずらに食いつぶしているようなことは、ないでしょうか。

今や大企業と言われる会社であっても、目まぐるしい変化のなかで淘汰される世の中です。世界経済フォーラムの発表によれば、10年後に生き残っている会社は10%もないと言われます。そんな世の中で、何となくマル保といういわば「お守り」を、安易に使ってしまうことが、自社にとって最善策と言えるでしょうか。

自社の金融機関からの見られ方を知り、マル保という制度を深く理解し、適切な金融機関との付合い方を知る。そして、マル保をいつでも借りられるお金ではなく、会社に何かあった時の切り札として活用できる環境を作る。これぞ、借り手としての最も理想的なマル保との付き合い方なのではないかと感じます。

 

〇まとめ:金融機関とマル保の話をしよう

本日は、保証協会付融資の時流を取り上げながら、できる限りこうした融資制度に関しては、自社の資金繰りを緊急的にサポートしてくれる切り札として活用し、経営を安定させるべきではないか、という話をしました。とはいえ、実際のところプロパー・マル保の選択権を有しているのは借り手の我々ではなく、貸し手の金融機関であるのも事実。「そりゃ、プロパーで借りられたらどれだけいいか」というお声も聞こえてきそうです。

だからこそ、年始で金融機関と会う機会も多いこのタイミングで、ぜひ1度取引している金融機関と、金利や金額だけでは終わらない交渉の場、話し合いの場を設けてほしいと感じます。

・自社は金融機関からどのように見られていて、何が財務の課題と思われているのか

・マル保を使うべき会社なのか、そうでないのか

・そもそも、借り方は正しいのか

長い付き合いのある金融機関であれば、決して嫌な顔をせず、丁寧に説明してくれるはずです。なんとなくはぐらかされてしまったり、的を射た回答が得られなかった場合には弊社にもご相談ください。無料にて、貴社の現在の金融取引に関して整理・分析を行うお手伝いをします。

【この記事を書いたコンサルタント】
片山 孝章

メガバンクの法人営業担当として3年勤務したのち、船井総合研究所に中途入社。 3年の勤務ながら地方拠点・都市拠点の両方を経験し、
スタートアップ企業に対する創業支援融資から、中堅~大企業向けの各種金融業務を学ぶ。 現在は若手担当者ならではの素早く、小回りの利いた対応を心がけることで、 経営者の表面的ニーズのみならず、想いにも寄り添える提案を心がけている。

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