財務トピックス(コンサルタントコラム)

「金融庁の改革について」②

前回、金融庁の改革の基本的内容について触れてきました。今回は第2回目として、「金融庁のガバナンス改革」について触れていきたいと思います。

今後、金融庁がどのような方向性に動いていくのかの指標になります。これまでの金融「監督庁」からの脱却を図り、より「企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大」にシフトしていく姿を明示しています。

以下、金融庁発表の資料より抜粋いたしました。

 

2.金融庁のガバナンス改革

(1)金融行政運営の検討プロセスへの民間有識者の参画

霞ヶ関の中だけで考えていては、決して良い施策は出てこない。金融行政の執行面において、金融行政をとりまく環境変化に対し、フォワードルッキングに問題を認識し、誤ることなく必要な施策を講じていくためには、外部有識者の知見が行政運営に絶えず反映されることが重要である。

このため、今事務年度より、金融全体を俯瞰した観点から、金融行政上の重要課題について、検討プロセスに立案段階から参画してもらえるよう、政策評価有識者会議の運営を改め、常設化されたアドバイザリー・ボード的な役割を持たせている。そのうえで、コーポレートガバナンス等の個別の重要施策について、各種有識者会議等を更に活用し、外部有識者の意見が継続的に行政に反映される枠組みを確保する。

 

(2)行政運営の質を高めるための外部の目線の導入

金融行政に対し、検査・監督される立場の金融機関等が率直に意見や批判、要望を述べることは容易ではない。行政運営の質を高めていくためには、外部の第三者によって、行政運営がチェックされ、提起された批判を真剣に受け止め、改善につなげていく必要がある。内部だけで議論していては、自己・現状肯定的な対応にとどまるおそれがある。

このため、金融機関等が外部の有識者を通じて率直に意見や批判、要望を言える金融行政モニター制度等の一層の充実を図る。

また、金融機関及び金融庁職員等へのヒアリング等を通じた金融行政に対する外部評価を毎年実施し、検査・監督等の金融行政の質の向上につなげる。

さらに、検査・監督の個別の対応についても、品質管理及び将来に向けた改善につなげる観点から、外部の専門家の視点を入れた検証を毎年実施する。

 

 (3)建設的な対話を可能とするための積極的な情報発信

沈黙していても対話は始まらない。外部からの意見や批判が入る前提として、行政の透明性が高く、金融行政の考え方等が、国民に広く分かりやすく公開されていることが必要である。

このため、金融行政の考え方や各種課題に関する分析等を、ネガティブな情報を含め幅広く、かつ積極的に公表し、行政のアカウンタビリティを高めていく。

 

出展:金融庁ウェブサイト

https://www.fsa.go.jp/common/about/kaikaku.html

 

以上、今回は改革のために組織のガバナンスをどのように変革させるかについて述べられています。今回の内容から分かる点は、より民間の意見を吸収していこうという姿勢や外部の目線を取入れていくという考えがあります。

金融機関等が外部有識者を通じて意見や批判、要望を言える金融行政モニター制度等の一層の充実を図り、関係者との建設的な対話を進める準備を整えています。

しかし、今後、地域金融機関を取り巻く環境はますます厳しくなることが予想されます。一部では、経営判断への行政関与も辞さないと取りざたされています。次期長官の遠藤氏は、本来的には金融機関が判断し行動する結果に責任を持つべきとの考えを持っています。

それでも上場地銀の6割(2018年3月期)が本業赤字という危機的状況であることからこそ、地域金融機関への経営関与も辞さないという流れは一定理解も出来ます。

状況が刻々と変化する金融業界の動きを監督行政庁の動きを含めて多角的にとらえていきたいと思います。

次回は金融庁の組織文化の改革について述べていきたいと思います。

【この記事を書いたコンサルタント】
竹村 良太

早稲田大学卒業後、地方銀行に入行。8年間の銀行業務では、中小・中堅企業から上場企業まで幅広い法人営業を経験。その後、船井総合研究所に入社。
前職時代は事業性評価・財務分析に基づく融資業務に取り組み、中小企業・上場企業向け融資実績を数多く残す。
経営者に寄り添い「三方よし」の精神で財務コンサルティングの提供を行っている。

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