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財務の基礎知識

「経営目標達成に向けた」財務戦略の立て方

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財務戦略における考え方と実際に財務戦略を立てる方法についてご紹介しております。
皆様の会社のさらなる発展とそれに伴う資金繰りにお役立ていただけますと幸いです。

1.財務戦略とは

財務戦略とは、経営目標を達成するために資金調達や運用を戦略的に行うことです。
自社の財務内容にマッチした財務戦略を策定することで企業の成長スピードを上昇させることが出来ます。
「資金繰りが苦しいのでなんとかしたい」「売上も上がっているのに全然お金が貯まらない」
など財務に関する悩みを持つ企業経営者の皆さまは少なくないと思いますが、このような悩みを解決するためにどのようなアプローチを行っているでしょうか?
「資金繰りが苦しいのは売上高が足りないからだ。とにかく商品やサービスをブラッシュアップして売上高をさらに伸ばすよう工夫している」
一見正しいように聞こえますが、この考え方が実は間違っているかもしれません。

2.資金繰りが悪化している思わぬ原因とは

もしかしたら、資金繰りの悪化やキャッシュが貯まらないのは売上が足りないからではなく
・原価・販管費の比率が高く、売上高営業利益率を圧迫している
・銀行からの借入条件が自社にマッチしていない
などが原因となっている可能性があります。
問題の原因を勘違いしたまま感覚的に経営を進めていくと


売上を伸ばすために投資をしたい

銀行から借入をして投資

売上は伸びたが月々の返済額が増える

さらに資金繰りが苦しくなる

という悪循環に陥ってしまうこともあります。

財務状況を改善するためには、自社のおかれている状況、そして将来はどんな会社にしたいのかを考え、そのビジョンに合わせた財務戦略を策定し、目標の利益水準を満たせる原価率や販管費率に設定すること、また、銀行からの借入条件を自社の返済能力や将来のプランに合わせた形に変更することが重要です。

3.財務戦略の立て方

「財務戦略が重要なのは理解したが、どう立てていけばいいか分からない。経営戦略や商品戦略は考えたことがあるが財務戦略は考えたことがない」と感じている経営者の方も多いかと思います。

では、財務戦略を立てるには具体的にどのような手順を踏めば良いのでしょうか。
実はたった3ステップで財務戦略を立てることが出来るのです。

①成長戦略を描き、必要な解決すべき課題と対策を明確化しましょう

まずは5年後10年後にどのような会社にしたいかビジョンを描き、決算書等の財務に関連するデータをもとに安全性、収益性、資金繰りの観点から財務分析を行い、それぞれの項目が持つ課題を把握して、成長戦略の達成に必要な短期・中期の対策を明確にします。

〈ポイント〉
・将来のビジョンを数字で明確にします。
例:5年後に売上10億、営業利益2億、借入金1億以下にする

②事業計画を作成し、成長戦略を達成するための財務戦略を立案しましょう。

成長戦略を数値化し、事業計画(P/L計画)を作成します。P/L計画をもとに銀行目線から資金調達可能額を明確にした資金繰り計画、必要資金を調達するためのB/S戦略を立案します。P/L計画の達成のために必要な投資戦略をたて、いつのタイミングで、どのように、どのくらい投資をすればよいのかを把握することによって資金使途の根拠づけを明確にし、資金調達を円滑に進める準備をします。

〈ポイント〉
・事業計画は具体的な施策を立案して作成します。
例:5年後に売上を10億円にするには2店舗の出店が必要なため、1年後に設備投資資金を調達する
・P/L、B/S、資金繰りの計画を連動させることによって計画の矛盾点を解消、計画達成可能性を検証して財務戦略を作成します

③最適な銀行取引基盤を明確にし、取引条件の最適化を交渉しましょう。

自社の現状を把握したうえで、資金調達や借入条件の適正化を金融機関に交渉し、現時点での銀行取引条件の最適化を行います。ここで注意しなければならないのは銀行取引条件にはどのような要素があるのかということを理解することです。銀行取引条件というと経営者の方々の頭には主に「金利」のことが浮かぶかと思います。もちろん金利は重要ですが、交渉すべき重要な条件は他にもあります。
銀行取引条件には金利のほかにも、借入枠や担保・保証人の有無、手形貸付や証書貸付、当座貸越といった借入形態があります。
取引条件には様々な要素がありますが、どの要素を重要視すべきであるかは企業の成長ステージによって異なります。
例えば、安定期の企業は支払利息軽減のために金利引き下げ交渉も重要ですし、事業承継を考えている経営者の方は担保・保証人を外していくという交渉もする必要があるでしょう。しかし、成長期にある企業の経営者が銀行を相手に行うべき交渉は、金利を安くすることでも、担保や個人保証を解除することでもありません。重要なのは「必要な時に資金調達を行い、お金が入ってきたら借入金を返せる体制」を構築するために借入形態という要素について条件交渉をすることが一番重要なのです。
このように自社の成長ステージに合わせて銀行取引条件を最適化していきましょう

〈ポイント〉
・交渉すべき要素(金利、担保・保証人、借入形態など)は企業の成長ステージによって異なるため、自社が重要視しなければならない要素は何なのかを見極め、優先順位をつける
・あくまで銀行とは良好な関係を築くことを意識する
(必要以上に銀行間で競争を煽るような態度はとらない)

上記の3ステップで財務戦略を策定し、今まで感覚的に行ってきた経営を明確なビジョンを持って行えるようになることで、企業の成長スピードを加速させることができます。
しかし、自社の現状を把握するための財務分析やP/L、B/S、資金繰りを考慮した財務戦略を策定することは1からやるとなれば多大な時間と知識を要しますので、多忙な経営者がすべてを行うのは難しいかもしれません。
まずは専門家のサポートを活用して財務分析の方法を学び、それに基づいた財務戦略を考えることから始めてはいかがでしょうか。

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